2000年に福島で、何時ものように数県の採集者さん達と井戸端会議をしていました。昨年 (1999年)は、私が福島入りを減らして新潟で採集していた話題になりました。そのときに関東の方から新潟の採集地を聞かれました。私は入広瀬で採れるポイントを知っている限り全て話しました。その他の話の内容は、他の採集地の現状などを話した記憶があります。

2000年の別の日・・・・福島で同じ関東の方と会い何時ものように話をしていました。そして関東のグループの方が福島で放虫している事を私に話しました。

私は放虫の理由を問いかけました。答えは「自然界で累代された放虫血統のオオクワを採集するのが楽しみ」と話していました。放虫しているクワガタは何かと問いかけました。答えは「放虫している虫は国産のオオクワガタだけ」と話をしていました。

福島では何時もお会いしクワガタ談義をする大先輩なので、放虫の話は信じられませんでした。私は悪いジョークと思って話題を逸らした記憶があります。

そして同2000年に、私は入広瀬で採集中の東海地方の知人と会いました。
東海地方の採集者の方が私に、「入広瀬は終わった」と話しかけてきました。

何の事か、さっぱり分からないので聞いてみると、福島で放虫している人が入広瀬に通っているというのです。私はその話を聞いて、脳裏に関東の方が浮かびました。私は東海地方の方に放虫者の名前を伺いましたが、教えてくれません。東海地方の方はヒントに、福島では有名な人で私も知っている人だよと教えてくれました。私も、放虫する人が別人だと悪いので名前を出さずに車の色を口にしました。(関東の方の車種を話すと直ぐに分かってしまうので色を確認しました)　東海地方の方はうなずいています。私は次に車種を問いかけます。東海地方の方は再度うなずいています。私は入広瀬に通っている相手が誰か確信しました。東海地方の方も私が放虫している人の事情を知っている事に気づいたのか、私に関東の方の実名を出して色々と教えてくれました。
どうやら、関東の方が福島で放虫しているのは、本当の話のようです。
放虫しているのは国産オオクワガタで、放虫している人はかなり居る（グループ）と教えてくれました。

私は放虫行為は好みませんが、福島で放虫している関東の方を嫌いにはなれませんでした。以前から尊敬し、好感の持てる大先輩だったからです。
それに、私は国産オオクワガタを放虫する事を好むか好まないかは、人それぞれと思っていたからです。(今も考えは変わりません、しかし外産の放虫は反対です)
放虫行為の告白は驚きましたが、凄くうれしい思いがしました。
私の何かを信じてなのか、放虫している事を私に話してくれたからです。

万一を考え、えちごやは2000年シーズン途中に入広瀬を避けて別地で採集していました。（以前より目を付けていた、上川村室谷・鹿瀬町へ採集拠点を移していました）

放虫疑惑のおしらせが遅くなった理由に、
福島で放虫している方が入広瀬にも放虫をしたのか確認をとっていない事と、入広瀬の採集マップ （1999年夏、初公開） を当HPに発表してから、オオクワ採集をスタートされた業者さんや多くの愛好家さん、多くのクワ業者さんが実際に入広瀬に訪れて採集し後に販売を行っているので伝える勇気がおきませんでした。

私は、入広瀬でホーぺのラベルが張ってあるオガ付きの空の蜂蜜ビンが投げてあったり、ばら撒いたであろう埋め込みマットや無数の昆虫ゼリーと空の飼育ケースが捨てられていた現状を見ています。
未確認ですが、入広瀬村でオオヒラタ・台湾オオクワモドキが採集されたとも耳にはさんでおります。

本当に放虫されているのか？、放虫されているなら誰が放虫したのか？
本当の事は私にも分かりませんが、注意したほうが良いのは確かです。
今後は入広瀬で採集したオオクワの特徴などに注意して、累代飼育していただきたいと思います。

2000年以前に入広瀬でオオクワ採集し累代飼育されていらっしゃる方は大事にしてください。
又、当えちごやの1998〜2000年採集の累代個体は、関東の方が入広瀬入りする前に採集した血統ですので、大丈夫だと思います。

入広瀬は放虫疑惑の他に、2004年から”ライトトラップ禁止”になったそうです。
福島県伊南村のライトトラップ禁止に続いて、入広瀬までも禁止とは悲しすぎます。
環境に見合わない行き過ぎた採集方法を見直さなければ、今後も禁止箇所は
増えていくばかりでしょう。

この事件により、以前より自己採集血統に付けていたピンポイント・データマップ配布の廃止を検討しています。
ご理解のうえ、よろしくお願いいたします。